こんにちは、masa(@masa_cons)です。
今回の記事では、全てのサラリーマンに必須の能力である「問題解決」の方法について、解説したいと思います
サラリーマンとして働いていると、毎日様々な問題に遭遇します。
売上が上がらない、商品についてクレームが入った、システムが障害を起こした等々、仕事をする上で問題というものは、常に私たちに付き纏うものです。
どうやったら問題は最も早く解決するのか?
これはサラリーマンにとって永遠の課題です。
また、問題解決の方法を考え、解決まで導くことが私たちサラリーマンに期待されることであると同時に、ビジネス力を見せるポイントにもなります。
問題はスマートに、そしてスピーディに解決して、いつでも定時に帰宅したいものです。
さて、今回はそんな「問題解決」について、決められたステップを踏むことで、どんな複雑なものでも解決できるようになるという話をします。
今回参考にしたのは、渡辺健介氏の著作である「世界一やさしい問題解決の授業」です。
元マッキンゼー出身の著者が、ロジカルシンキングの基本をわかりやすいストーリーとともに解説してくれています。
では、早速「世界一やさしい問題解決の授業」を基に、スムーズに問題解決するための方法を学びましょう。
問題解決の4つのステップ
毎日、毎日問題だらけ。
今日も部長から「営業成績が上がっていない」と指摘されたけど、どうしたらいいんだろう…
どうやら問題発生中のようじゃの。
そんな時は、問題解決の4つのステップを使って、一緒に問題を解決するのじゃ。
さっそく結論から説明しますが、問題を解決するためには4つのステップを踏む必要があります。
これは、簡単な問題から、どんな複雑な問題でも同じ4つのステップです。
全ての問題解決のために行う行動は、この4つのステップに集約されます。
何か問題が発生したら、このステップに立ち返って整理していくだけで、問題は解決へと向かっていきます。
ただし、①〜④の順番は確実に守る必要があります。順番を入れ替えたり、ステップをとばしてしまっては正しく問題解決することはできません。
問題が発生したら、まずは「① 現状把握」をしましょう。
「現状把握」とは、問題についての事実(事象・関連業務・影響範囲・関係者)、時系列、そして全体の仕組みを把握して、整理することです。
以下の通り、「現状把握」は、3つのステップで進めます。
最初のステップは「事実を集める」です。
問題となっていることや、その問題に関連する業務、関係者を可能な限り定量的に情報収集することです。
ここで集めた「事実」は問題解決の全てのステップにおいて基となる情報になるので、正確で、具体的な情報を収集する必要があります。
次のステップは「時系列を整理する」です。
事実を集めたら、その情報を時間の流れに合わせて並び替えてあげます。時間の流れに合わせることで、事実の因果関係が見えやすくなります。
最後に「全体の仕組みを把握する」です。
これは問題についての視野を広げることを意味します。
例えば、「新人の売上が上がらない」という問題があった時に、原因が人に依存していると決めつけてしまうと、集める事実も偏ったものになってしまいます。
そうではなく、そもそも売上が上がる仕組みは「契約件数(人依存)×単価(商品・サービス依存)」とすると、「人」に関する事実だけでなく、「商品・サービス」に関する事実も調べてみようといった視点に気づくことができるのです。
要は、事実の収集漏れがないように、網羅的に問題と向き合うことが重要で、この網羅性がそのまま「③ 打ち手の決定」の精度に繋がっていきます。
まずは「営業成績が上がらない」という問題について「事実」を整理してみよう。
今回の問題だと、まずは以下のような情報がキーになりそうだね。
・営業成績目標
・営業実績
・取扱商品
・営業方法/稼働時間/獲得件数
・営業成績目標 ⇨ 「2020/3/1-2020/3/31」で新規契約10件
・営業実積 ⇨ 同期間で新規契約5件
・取扱商品 ⇨ 商品Aのみ
・営業方法/稼働時間/獲得件数 ⇨
それぞれ、こんな感じです…
8割の契約はセミナー経由で獲得できました。
ありがとう、情報が集まったので、次は原因を分析してみようかの。
問題を分解して原因を特定する
問題についての事実を集めることができたら、次のステップは「② 原因の特定」です。
事実から考えられる問題の原因を洗い出して、最も効果的な打ち手を決めるための準備をします。
「原因の特定」は、3つのステップで進めます。
STEP1 原因を洗い出す
最初のステップは「原因を洗い出す」ことです。まずは、問題を要素に分解することが重要です。
例えば、「売上が上がらなくて、会社が潰れそう」という問題があるとすると、「売上が上がっていないこと」と、「会社が潰れそうなこと」という2つの要素に分解できます。
そこからさらに、「売上が上がっていないこと」を人・商品・サービスに分解したり、「会社が潰れそうなこと」を資金・人・環境などの要素に分解していきます。
このように問題を要素に分解すれば、それぞれの要素に対して違うアプローチで原因を考えていくことができます。
最も効果的な打ち手を決定するために、まずはこの原因の洗い出しによって、本当の原因を見つけだすことが最初のステップとなります。
問題を分解していく必要があることはわかったけど、うまく分解する方法はないのかな…
問題の原因を分析するときに有効なツールとして、「分解の木」というものが本で紹介されているので使ってみよう。
分解の木は、問題の要素をツリー状に並べて書くことで、原因を漏れなく探したり、広くアイデアを検討するのに役立ちます。
「分解の木」を作るときのポイントとしては、最初から完璧を求めるのではなく、作っていく中で、「他にないか」「もっと分解できないか」という問いを繰り返して、どんどん磨き上げていきましょう。
分解の木に正解の形はありません。問題や、状況に応じて最適だと考えられるものを突き詰めていくことが大切です。
STEP2 仮説を立てる
原因を洗い出せたので、次は「仮説を立てる」です。
「仮説を立てる」とは、洗い出した原因の中で解決したときに最も効果の大きい原因を推測することです。
また、推測する際には、すでに集めている事実を使ったり、新たに情報を収集して根拠を立てて推測することが重要です。
当然ですが、闇雲に推測することに意味はありませんし、時間も無駄になってしまいます。
しかし、最初から完璧な答えを出すことも難しいので、集まっている事実を基に、その時点で最も妥当性の高い仮説を立てていく必要があります。
STEP3 分析する
原因について仮説を立てることができたら、原因の特定の最後のステップである「分析する」です。
「分析する」とは、「仮説を立てる」で推測した本当の原因や根拠の確からしさを検証することです。
仮説の確からしさを改めて確認するために、再度必要な情報収集して原因を確定させます。
分析する際に重要なことは、「① どんな分析をすべきか」、「② どんな情報を収集すべか」の2点を決めることです。
ここでも、闇雲に分析を始めてしまっては時間がどれだけあっても足りません。
STEP2で考えた仮説を証明するために、最も効果的かつ効率的な分析方法を決めることが重要です。
分解の木を見ながら、「仮説を立てる」と「分析する」を進めてみよう。
まず「仮説を立てる」について、最も解決すべき原因は何だろう?
うーん、まず営業方法に関しては、契約できていないものは辞めて、セミナーとメールに絞った方が良いかもしれないです。
それと、商品についても商品Aだけでなく、資格を取って商品Bも扱えるようにした方が良さそうです。
具体的にまとめると、3つ原因を解決すべきと仮定したんだね。
① メールの返信率が上がるように改善する
② セミナーの内容を改善して理解度を上げる、集客率を上げる
③ 商品Bを取り扱えるようになる
では、本当にこれで問題が解決しそうか「分析する」を進めてみよう。
分析するときは、「① どんな分析をすべきか」と、「② どんな情報を収集すべきか」を考えるんだったね。
「① どんな分析をすべきか」は、実際に他の営業マンがセミナー、メール、商品Bでどんな営業成績を残しているか調べてみます。
「② どんな情報を収集すべきか」は実際の営業成績の数字を収集してみます。
最も効果的な打ち手を決める
原因の特定ができたら、次はステップは「③ 打ち手の決定」です。
最も解決すべきである原因に対する対策を考え、問題を解決するための打ち手を決めます。
「打ち手の決定」についても、3つのステップで進めます。
STEP1 アイデアを洗い出す
まずは、打ち手についての「アイデアを洗い出す」です。
「② 原因の特定」で解決すべき原因が特定されているので、それを解決すべくアイデアを洗い出します。
ここでも、原因を洗い出した時と同じように分解の木を使ったりして、幅広くアイデアを出すことが重要です。
最初からできないからなどと決めるのではなく、少しでも可能性があるものはとりあえず書き出してみて、後から削って行くのがオススメです。
突拍子もないアイデアからヒントを得て、別の良い考えが浮かぶということが往々にしてあります。
STEP2 打ち手を選択する
アイデアが洗い出せたら、次のステップは「打ち手を選択する」です。
複数の選択肢から打ち手を選択する際は、それぞれのアイデアを比較することが有効です。
比較する時のコツとしては、なにを重視して比較するかの評価軸を決めることです。
例えば、ある時はとにかく1番早く効果が出るものという観点で「即効性」を重視したり、ある時は時間はかかっても良いから最も効果がでる「実効性」を重視したりといった具合です。
1つ評価軸が決まると、それに合致しているかどうかで打ち手のアイデアを選別していけば良いので、自然と選択可能な打ち手が絞られていきます。
STEP3 実行プランを立てる
いよいよ打ち手が決まったら、最後は「実行プランを立てる」です。
「打ち手を選択する」で決まった打ち手を実現するためには、何の準備が必要で、いつからいつまで実施するのかといった情報を整理します。
コンサルタントの世界では、この実行プランのことをWBSと呼んでいます。Work Breakdown Structureの頭文字を取った言葉です。
別にこれは決まったものがあるわけではないので、すでに使っている課題管理表などでも代用可能です。
必要なのは、「① なにを実現するか」、「② いつまでに実現するのか」、「③ そのためのアクションは何か」が明確に示されていれば何を使っても構いません。
〜あれから3ヶ月後〜
仮説を立てた原因が的中していて、セミナーの集客アップと講義内容の充実で新規契約が目標を達成できました!
それに、先月から資格を取って商品Bも売り始めたので、さらに成績が伸びそうです!
それは良かったですね。でも現状に甘んじることなく、もっと契約件数が伸びるようにさらに改善していくことが大切ですよ。
新たな問題はステップのループで解決する
無事ゆとり君は「営業成績が上がらない」という問題を解決できたようです。
しかし、現実には実行プランを立てて打ち手を実行してもイマイチ効果が出なかったり、また新たな問題が発生することが当然あります。
そんな時は、1番最初のステップである「① 現状把握」に立ち返り、原因を考え、打ち手を決める、というステップを繰り返すことです。
このループを繰り返すことで、問題に対する打ち手(=答え)がどんどん洗練されていきます。
いきなりこのループを上手く回すことはできないかもしれませんが、1つ1つのステップの答えを、まずは自分の頭で考えてみましょう。
自然とループを早く回せるようになったり、最初から精度の高い原因特定をしたり、最適な打ち手を考えることができるようになります。
スマートに問題解決できるビジネスマンを目指して、様々な問題解決に挑戦していきましょう!
ここまで読んでいただき有難うございました!
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仕事術やキャリアに関するお役立ち情報をつぶやいています。
それでは、また!
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